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シュツットガルトについて [ドイツ/シュツットガルト]

ぼくが約1年暮らしたシュツットガルト市について。


http://www.stgt.com/stuttgart/homee.htm

シュツットガルトは南ドイツ、バーデンヴュルテンベルクの州都。この州は西はフランス国境に接し、北はスイス、オーストリアに接している。市の人口は2005年夏で59万774人。ドイツ人が暮らしたい街の最新調査で一位に輝いた。シュヴァルツヴァルト(黒い森)と呼ばれる広大な森に抱かれた工業都市で、市街地は森とブドウ畑に囲まれた盆地にある。四方に小高い丘があり、斜面に建てられた住宅、畑、森林が美しいランドスケープを形作っている。街の第一印象はとにかく緑が多いこと。ハンス・ルーツが計画した緑地計画に則り、黒い森から市の中心シュロスプラッツまでU字型の広大な緑地が連続している。ヨーロッパ有数の緑地公園都市で、市の面積の半分以上を森、緑地、耕地が覆っているそうだ。春から夏にかけて公園で過ごすのは本当に気持ちが良い。ウサギやリスもたくさんいる。シュツットガルトの人たちは散歩と森が好きで、あとはたぶん静けさが好きなのだと思う。BGMがあるレストランやショップも少ない。 夜騒ぐとすぐに通報されて警察がやってくる。


街中には歩行者専用の通りがいくつもあって、レストランとお店が並ぶショッピングプロムナードになっている。アイグナー、ゴールドファイル、ヒューゴ……など、ドイツ系のブランドショップはもちろん、観光客が少ない割にはLVやカルティエなどの路面店も充実していて、市民の購買力の高さが窺える。こうした高級ブランド品について言えば、ドイツは他の西欧の国で買うより確実に安い。2月と8月にはセールがあるが、80%引きという信じられない価格で旧モデルが売られていることがあった。それと、何度も書いたけどホメオパシー・自然派コスメの品々も、これまた信じられないくらい安い。そのほか、食料品や日用品など、生活物価は日本の半分以下だと思う。例えばジャガイモやタマネギは4キロで1ユーロ(約140円)以下。プレッツエルという代表的なラウゲンパンは3個で1ユーロ以下(日本だと一個150円くらい?)。牛乳は1リットル55セント(約75円)。牛乳1リットルはBIOのお店でも1ユーロはしない。日本より高いのは公共交通の料金とポテトチップスくらいだ。よく、海外は乾電池やフィルムが高いから、旅行の際は日本から買って行ったほうが良いと言われるけど、どれもこれもドイツは確実に日本より安い。

シュツットガルトはおそらくドイツでもっともリッチな都市の一つだ。ダイムラークライスラー、ボッシュ、ポルシェ……など、ドイツを代表する国際的な企業がここで生まれ、現在もシュツットガルトおよび近郊を生産・管理拠点としている。そのため失業率はとても低く、犯罪はドイツでもっとも少ない。駅や空港では荷物を置きっぱなしにしている人をよく見かける(東洋人は狙われやすいので注意が必要)。ひょっとすると日本より安全かも知れない。タクシー車内では運転手と客を隔てるパーティションがない。一般の乗用車とまったく同じ。これも強盗犯罪が少ないから可能なことだ。ただしパトロール中の警官もとても多い。街が豊かなこともあり都市文化が発達していて、美術館やオペラハウスの充実ぶりは素晴らしい。この他にも町中には多数の公共シアターがあり、JAZZ、現代音楽などのコンサートも頻繁に開催されている。隣の州のバイエルンとは競争意識が強くて、さまざまな場面で大都市ミュンヘンと競い合うところもあるようだ。

地元の南ドイツ料理は好き嫌いが分かれるが、ぼくはそんなに嫌いではない。ただし量が日本の2倍以上はあるので注文する際には注意が必要だ。ブッフェのお店はお皿に食べたい分だけ盛ったらレジの量りに載せて代金を払うので合理的。パンはどれも美味しいと思った。種類も豊富だ。乳製品もとても美味しい。居心地の良いカフェもたくさんある。ただしケーキに関しては「アタリ」はなかった。南ドイツ料理店で食べた温かいリンゴのデザートはすごく美味しかったけど、ケーキはどこもイマイチだ。戦後、南イタリアから移民を受け入れたため、街にはイタリア料理店が多くて、選択を誤らなければかなり美味しいイタリア料理を食べることができる。ピザは特に美味しい。ミシュランの星を獲得したイタリア料理店もある。普通のお店でもビールとワイン、ジャガイモ料理は美味しい。中国料理店はどこで食べても同じ味がした。どちらかと言うとマズい。市内には一軒だけ日本料理専門店がある。「喜長」というお店で、ここは海外で食べる日本料理としては上等のほうだと思う。それに他の都市で食べるほど高くはない。このほか寿司屋(回転寿司)がいくつかあるが、経営者や厨房の責任者は中国人であることが多いようだ。日本食材を扱うお店も一軒ある。「IZUMI」というお店。売り場は小さいけど、ここではたいていの日本食材は手に入る。中国、東南アジアの食材を扱う食品店でも日本食材を扱っているところが多い。市役所前のマルクトプラッツでは週三回、地元農家の朝市が開かれる。その隣のシラープラッツでは花市がある。

街は第二次大戦で壊滅的なダメージを受け、現存する古い建物は少なく、観光名所として際立った個所はない。そのため日本人観光客もほとんど来ないが、12月のアドヴェント(待降節)の時期にはドイツ有数のクリスマスマーケットが立ち、フランス、スイスなどからも大勢の観光客がバスに乗って訪れる。この時期は日本からの観光客も多い。

労働時間は日本と比べるとかなり短い。残業する人が少ないうえ、金曜日は午後2〜4時で終業するからだ。日本人デザイナーが日曜日に仕事をするために事務所にいたら警察が来たというエピソードがある。もちろん締め切りに追われて遅くまで働く人たちもいる。それでも休暇はしっかりとる。これは他の西欧各国と同じだ。

以上を踏まえて、約1年間を過ごしたシュツットガルトの印象をひとことで言うと「とても暮らしやすい街」。街は緑がきれいで、森も近く、物価が安くて、フランス、スイス、イタリア、オーストリア……など、近隣各国に行くのもすごく便利だった。国際空港もあるし格安航空会社の便も多い。オペラは素晴らしいし美術館も充実している。温泉もある。外国人だからといって肩身の狭い思いをすることもほとんどなかった。何より風景が生まれ故郷の札幌によく似ていた。この国では善良で勤勉な市民であれば、生活と安全は国が保証してくれる。住居は清潔で設備も充実している。飲食店や公共施設のトイレも驚くほどキレイで清潔だ(有料もあり)。必ずドライヤーやペーパータオルがあるのでハンカチを忘れてもぜんぜん問題ない。それから、ドイツ人女性には美人がものすごく多くて、日本人が考える「美しい人」とはドイツ人がモデルなのではないかと思った。
もちろん良いところばかりではなくて、ドイツには歴史の問題もあるし政治の問題もある。それでも日本ほど根深くないのは政権交代がちゃんと行われているからだろう。今回の交代では前政権時代のさまざまな問題が表面化している。国民にはそれを解決しようとする意志もある。自信に満ちていると思うことも多々あった。ドイツ人は自分たちは優秀だと自負している向きがあるのではないか。それが他のヨーロッパの国から見ると傲慢で自信過剰と受け取られがち。国が広いと国境を接する国も多く、隣国との良い関係を保つのも大変だ。ただし、大国とは言っても、ドイツの国土は日本より狭い。

またこの街で暮らしてみたい。
永住したいと思ったくらい、ぼくにとっては理想の生活環境だった。


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コメント 2

koo

こんにちは。いつも読ませていただいて膝を打ったりしています。

南ドイツ料理で反応してしまいました。私はミュンヘンに行った時、芸術見本市で知り合いになった地元の人に郷土料理のおいしいものを食べたいというリクエストをして出てきたのが、「牛タンの塩茹で」でした。
「え~これ私一人で食べるのぉ?!」皮も向いていない(表面のざらざら付)ゆだったままのタンの塊を前に奮闘している私の前で彼はトマトソースのパスタをおいしそうに食べていたのが忘れられません。添えてあったポテトのダンプリングはおいしかったけどそれも野球ボール大が二つ。目を白黒させながら食べました。なんか生々しくて変な感じがしました。

ドイツは国策としての芸術支援が充実している気がします。
地に足がついた感じというか、多少のことではゆるぎないというか。
オペラもそうだし、各都市のクンストラーハウス、ピナ・バウシュやフランクフルト・バレエも、そしてフランクフルトを拠点にする室内楽のアンサンブル・モデルンにしても、そういう団体があるということにうらやましさを感じます。
by koo (2005-12-27 10:03) 

シュツットガルトは、ドイツ人が住みたい街ベスト1!なんですね。
確かに、ゴチャゴチャしてないし、ケバケバしてないし、落ち着いた高級感の漂う上品な街並みですよね。それに、とても自然が豊かですし、人口密度も、人間が暮らすのに最適な気がします。そして、カルチャーも全て、街には揃っていますしね。
東京は、ショッピングするのも映画や音楽鑑賞するのも、誰かと会うのにも、人混み掻き分け、沢山の移動時間を要して、、、という感じですね。
ドイツの方が、どうしてだか時間の流れがゆっくりだった気がします。
御帰国なさるのですか?? 
by (2005-12-27 11:00) 

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