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ミュージアム6題/モダンデザイン100年のアーカイヴ。 [ドイツ/シュツットガルト]

19世紀、西欧は科学技術の進歩とともに発展した。20世紀初頭、ドイツでは科学技術と芸術の関係が模索され、そこに芽生えたモダンデザインの思想が、やがて人類の20世紀の生活を大きく変えていく。些細な日用品から豪奢な工芸品、形を持たない技術まで。その100年の歩みを真摯に記録し続けてきた記憶の管理者──ドイツの技術・デザイン博物館は、現代に生きる私たちの回想録だ。大航海時代の王侯貴族が、世界の珍しい品々を収めたヴンダーカンマー(驚異の部屋)は、今日の博物館の起源とされている。ミュージアムイヤーの始めに、私たち100年のヴンダーカンマーの扉を開けてみよう。成田発ドイツのデザイン&テクノロジー・アーカイヴの旅へ。Gute Reise!
http://blog.so-net.ne.jp/hashiba-in-stuttgart/2006-11-09

Esquire (エスクァイア) 日本版 2007年 03月号 [雑誌]

Esquire (エスクァイア) 日本版 2007年 03月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: エスクァイア マガジン ジャパン
  • 発売日: 2007/01/24
  • メディア: 雑誌


特集の写真は甲斐裕司さんとヘニング・クエレン Henning Querenさん。





世界最大・最古のモダンデザインコレクション。
Pinakothek der Moderne
Die Neue Sammlung
ピナコテーク・デル・モデルネ

Barerstrasse 40, D80333 München tel.089-23805-360
http://www.pinakothek.de
http://www.pinakothek.de/pinakothek-der-moderne/
Tram 27でPinakotheken下車、徒歩1分。地下鉄U2/U8のKoningsplatz、あるいはU3/U6のOdeonsplatzかUniversitatで下車、徒歩5分。

Pinakothek der Moderne


世界最大のコレクションを誇るデザインミュージアムはどこか? そんなクイズがあれば、ニューヨークの『MoMA』の名を挙げる人が多いのではないだろうか。同美術館のコレクション数は公開されていないが、おそらく3000程度と言われている。一方、南ドイツ最大の都市ミュンヘンの『ピナコテーク・デル・モデルネ』プロダクツデザイン部門の収蔵アイテムは7500超。「デザイン」という概念がまだ希薄だった1907年からコレクションを開始、今年で創立100周年を迎える世界最古のデザインミュージアムでもある。最初のクイズの正解は、もちろんミュンヘンの『ピナコテーク・デル・モデルネ』だ。
「バウハウスのプロダクツも、オークションで探すのではなく、バウハウスから当時直接購入してきました。ここにある展示品はすべてリアルタイムに収集したものばかり。ドイツ工作連盟の設立と同時に発足したコレクションですからね」
ヨゼフ・シュトラッサー博士は博物館の歴史をさかのぼる。そして「ナチス時代に一度閉館され、この時にコレクションの25%が失われた」と肩をすくめる。19世紀末、ドイツ製品は粗悪な安物というイメージがあった。'07年に結成されたドイツ工作連盟はそれを払拭する目的もあり、ミュンヘンの12人の芸術家と12の企業体が、芸術と産業の融合を目指して組織化されたグループだった。市民への啓蒙活動やPRにも力を注ぎ、展覧会も定期的に開催された。『ピナコテーク・デル・モデルネ』の開設も、こうした活動の一環と考えられる。
『ピナコテーク・デル・モデルネ』とは独立した4つの美術館(建築、グラフィックデザイン、ファインアート、プロダクツデザインの各部門)の総称でもある。
「同じようにデザインや応用芸術を扱う美術館はいくつもありますが、その多くは高価な工芸品や新奇で特殊なプロダクツを単品で収集する傾向にあります。しかしここではむしろ時代性を表現する一般的なプロダクツを集めてきました。製品にバリエーションがあれば、それも揃える。品質は確かに重要だけど、安価なモノであっても、例えばそれが『東ドイツの日常生活』を象徴するならばコレクションの対象です」。
学芸部長のコリーナ・レースリー博士は『ピナコテーク・デル・モデルネ』のコレクションをこう説明する。つまり、単純にモノを収集するのではなく、その製品の周辺にある社会性や時代性、暮らしの記憶を収蔵しているわけだ。
「『MoMA』のコレクションはとても興味深いけど、ファインアートとデザインを同列で扱うとどうしてもヒエラルキーが生まれて、デザインは美術より下位と捉えられてしまう。この美術館がデザイン部門を完全に独立させているのもその理由からです」(レースリー氏)
優先順位があると正確なコレクションは維持できない。“記録”に対する厳格さが窺えると思う。

Stephan Braunsfels: Pinakothek Der Moderne Munich (Prestel Museum Guides)

Stephan Braunsfels: Pinakothek Der Moderne Munich (Prestel Museum Guides)

  • 作者: Gottfried Knapp
  • 出版社/メーカー: Prestel Pub
  • 発売日: 2003/01/01
  • メディア: ペーパーバック





80年前の未来の住宅へ。
Weissenhofmuseum im Haus Le Corbusier
ヴァイセンホフミュージアム

Rathenaustrasse 1, D70191 Stuttgart tel.0711-257-9187
http://www.weissenhof.de/
Tram27でPinakotheken下車、徒歩1分。U7のKillesberg Messe下車、徒歩3分。バス44のKunstakademie下車、徒歩1分。

Weissenhofmuseum im Haus Le Corbusier


黒い森を抱くドイツ西南部バーデン・ヴュルテンベルクの州都シュトゥットガルト。ダイムラークライスラー、ボッシュなどの一流企業がある有数の工業都市だ。ドイツでもっとも豊かな街と言われ、バレエ、オペラなど都市文化レベルも高い。この街の1927年の3カ月の記録が建築家ル・コルビュジエの住宅に収められ『ヴァイセンホフミュージアム』として昨年秋に公開になった。ヴァイセンホフとはこの建築が建つ小高い丘の街区名だ。
'27年の晩夏、市北部の丘で、ドイツ工作連盟の住居展が開催される。フリードリヒ・ミース・ファン・デル・ローエはドイツ国内外16名の建築家を招聘し、ここでモダン住宅22棟の一大プレゼンテーションを行った。『ヴァイセンホフミュージアム』は、この記憶を残す施設だ。同(昭和2)年、東京では最初の地下鉄が開通、初乗り運賃は10銭。建築界では、暮らすだけの目的に純化した“住宅”の概念が生まれた時代である。産業革命後の工業化で職住が分離し、オフィスと“住宅”という新機能が建築に新たに求められるようになった。住宅展はそれに応えた、当時気鋭の建築家たちによる超先進的なウェイ・オブ・リビングの提案だった。少ない材料と新素材で、新しい生活のための建築群はわずか2〜4カ月の工期で竣工したと言う。会期終了後は住宅として使われ、第二次大戦の連合軍空爆で9棟が焼失。戦後は市が買い取り現在も公営住宅として供用されている。その中のル・コルビュジエ設計の2世帯住宅が『ヴァイセンホフミュージアム』に改装された。2世帯の片方は竣工当時に復元、もう片方は展示コーナーとなっている。また、ル・コルビュジエの一連の作品とともに昨年ユネスコの世界文化遺産にも選定されている。
件の住宅展は約3カ月の会期中、50万人以上の入場者を集め大成功だったように思われるが、当時の常識を超えた実験住宅には批判や拒絶が多かった。白い立方体の箱が並ぶ様は“プチ・エルサレム”と揶揄され、ラクダとヤシの木が描かれたポストカードも出回ったと言う。博物館の展示コーナー壁面には、当時の数々の批判も記されている。最初の住人だったオーストリアの美術家アントン・コーリックは「ここで暮らすにはファンタジーが必要だ」というコメントを残している。しかし今では、逆にこのモダンなスタイルが“常識”になってしまったのだ。
80年の日々を経て、この小高い丘の建築群は、近代建築ラヴァーにとって、まさにエルサレム(聖地)となり、毎日、世界中からの建築巡礼者が訪れる。その他の建築は今も一般住宅なので内部の見学はできないが、外観を巡る徒歩ツアーは休館日を除く毎日15時に開催されている。最後に学芸員カトリン・グローケさんからの注意。
「みんな『ル・コルビュジエの住宅』と言うけど、一緒に仕事をした弟のピエール・ジャンヌレの名前も忘れないでね。共同設計ですから」。
http://blog.so-net.ne.jp/hashiba-in-stuttgart/2005-12-05
http://blog.so-net.ne.jp/hashiba-in-stuttgart/2005-04-30

Weissenhof 1927 and the Modern Movement in Architecture

Weissenhof 1927 and the Modern Movement in Architecture

  • 作者: Richard Pommer, Christian F. Otto
  • 出版社/メーカー: Univ of Chicago Pr (Tx)
  • 発売日: 1991/03
  • メディア: ハードカバー





現代デザインの礎を築いた名門大学15年間の記録庫
HfG-Archiv
ウルム造形大学アーカイヴ

Basteistrasse 46 D-89073 Ulm  tel.0731-161-4370
http://www.hfg-archiv.ulm.de/
水曜のみ公開。水曜以外は要予約。Fax. 0731-161-4373, hfg-archiv@ulm.de
バス5/7のCongress Centrum下車、徒歩0分、旧Pionierkaserne barrackの2階。

HfG-Archiv


『ウルム造形大学』という大学をご存知だろうか。世界で最も高い大聖堂を誇るウルム市に1957年に開校、'68年には閉校したので現存していない。 わずか18年、成人式を迎えずに眠りに就いた教育活動ではあったが、この大学が世界の工業デザインやグラフィックデザイン界に与えた影響はあまりに大きかった。戦後のデザイン教育のメソッドを革命的に変えた学校だったからだ。もちろん、優秀なデザイナーや教育者も多数輩出している。500系新幹線やドイツの特急車両ICEのデザインを手掛けたアレクザンダー・ノイマイスターやグラフィックデザイナー杉浦康平も同大学で教鞭をとっていた。ブラウン製品のデザイン開発コラボレーションでも知られている。日本人も20名が同大学で学んでいて、武蔵野美術大学の向井周太郎名誉教授も卒業生の一人だ。
『ウルム造形大学(HfG)アーカイヴ』には、『ウルム造形大学』18年の記録と、留学生の帰国後の活動などがアーカイヴされている。一般公開は毎週水曜日のみ。現在、所蔵品の一部は「ウルムモデル&ポストウルム展」として世界を巡回中。それでも貴重なコレクションの数々を閲覧することができる。特に、'72年ミュンヘン五輪のデザインディレクターを務めたドイツ・グラフィックデザインの重鎮オトル・アイヒャーの資料は質量ともに圧巻。例えば氏がルフトハンザのCIを手掛けた際の参考資料やスタディ、書簡なども完璧に保管されていて、希望すればリファレンスできる。『HfGアーカイヴ』は資料図書館に近く、博物館という性格は薄いが、歴史を重んじるドイツ人の真摯なアーカイヴ文化に触れることができるだろう。
初代学長を務めたのはバウハウス出身のスイス人マックス・ビル。彼が設計を手掛けた『ウルム造形大学』校舎は戦後の建築で初めて文化財に指定された建物だ。現在は医学で有名な『ウルム大学』が供用中で、『HfGアーカイヴ』からはタクシーで15分程度の小高い丘の上に、ほぼ当時のまま残っている。
初代学長にバウハウス出身者を迎えたため、『ウルム造形大』を同校の後継教育機関ととらえる人は多い。しかし、個人のエモーショナルな芸術感覚を重視したバウハウスのメソッドは、デザインとは理論と演算に基づく理性の賜物と考える若き講師トマス・マルドナード(後に学長、その後ミラノ工科大学学長)によって否定され、対立したマックス・ビルは'57年に学長を辞し大学を去っている。芸術表現と決別した、デザインの論理的思考は、20世紀の半ば、この南ドイツの大学で構築されたものだった。それは卒業生によって、近代建築のインターナショナルスタイルのように世界に広がり、現代デザインの基礎となったわけだ。つまり、『HfGアーカイヴ』を訪れることは、今日のデザインの「入り口」に返ることだ。迷路に迷った者が立ち返る場所を、大切に守り続けているのである。
http://blog.so-net.ne.jp/hashiba-in-stuttgart/2006-11-11
http://blog.so-net.ne.jp/hashiba-in-stuttgart/2005-10-08

Hfg Ulm: The View Behind the Foreground : The Political History of the Ulm School of Design. 1953-1968

Hfg Ulm: The View Behind the Foreground : The Political History of the Ulm School of Design. 1953-1968

  • 作者: Rene Spitz
  • 出版社/メーカー: Axel Menges
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: ハードカバー


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Ulmer Hocker icon




デジタル・バウハウス。
ZKM

Lorenzstrasse 19 D76135 Karlsruhe  tel. 0721-8100-1201
http://on1.zkm.de/zkm/
Tram2のZKM下車、徒歩1分、バス55のLorenzstrasse下車、徒歩2分。

ZKM


フランス国境に近いドイツ西南部のカールスルーエ市は、人口約29万の中規模都市の割に知名度が高い。カールスルーエ・モデルと呼ばれる画期的な都市交通システムを持ち、連邦憲法裁判所があり、ハイレベルな教育研究機関も国際的に知られている。日本のフットボールファンには現レッズの永井が同市のクラブに所属していたことでおなじみだ。そして、世界のメディア・美術関係者がこの地方都市に注目し、足を運ぶのは、『ZKM』がカールスルーエにあるからに他ならない。
『ZKM』は「美術&メディアテクノロジー・センター」のドイツ語の頭文字を並べたもの。その名の通り、メディアテクノロジーの研究開発と応用、その作品(美術、音楽、映像……)を展示・公演する文化施設だ。機関の発足はベルリンの壁が崩壊した1989年。同年、美術館建設の大規模な国際設計コンペが行われ、実作がほとんどなかった“アンビルト・アーキテクト”のレム・コールハースが一席に選ばれ話題になった。しかし彼の設計案は野党の反対運動のため実現に至らず、'97年、ハンブルクの建築事務所シュヴァイガー&パートナーズの設計で、建築文化財の元弾薬工場の一部を改装して施設はオープンしている。同年、日本では一足先にNTTが同じ性格の施設『ICC』を開設していたが、『ZKM』の影響は少なくなかったと思われる。ちなみに『ZKM』は公共の文化施設だ。
施設は空間的に大きく3つに分かれている。彫刻、絵画など現代美術のミュージアムとメディアアートに特化した常設展示空間。その間に国立造形大学(ダニエル・リベスキンドも建築科教授だ)があり、学生には『ZKM』がキャンパスで図書館だ。『ZKM』自体は視覚メディア、音楽・音響、メディア経済、フィルムインステテュートの4つの研究機関が内包されていて、世界各国から作家が招聘され、ここに滞在して制作や研究を行っている。
と、こう説明するとメディアアートに関心のない人には退屈な施設に思われるかも知れない。でもそれは大きな誤解だ。メディアミュージアムの展示作品はどれもインタラクティブな体験型作品やVRインスタレーション。デジタル以前のオプアートの展示も充実している。ミュージアム内にはビブロテーク(図書館)ならぬ「メディアテーク」もあり、世界の映像作品、現代音楽などが視聴可能だ。名作ビデオゲームのライブラリーもある。それらを「楽しんでいる」間に、どんどん時間が過ぎていく。
「20世紀末に大きな進歩を遂げたデジタル技術とその活用、それを記録して、さらに技術の成果を市民や産業はどう享受できるのか。そのためには新しい研究機関と博物館が必要だったのです」と『ZKM』のクリスチャン・リーデル氏は設立の経緯をこう説明する。工業化が進んだ20世紀初頭、工業と芸術の未来を模索したバウハウスが『ZKM』に重なる。

Media-Art-History: Media Museum : Zkm - Center for Art and Media Karlsruhe (Museum Guides.......Large Format)

Media-Art-History: Media Museum : Zkm - Center for Art and Media Karlsruhe (Museum Guides.......Large Format)

  • 作者: Hans-Peter Schwarz
  • 出版社/メーカー: Prestel Pub
  • 発売日: 1997/11
  • メディア: ハードカバー





銀色のタイムマシンで120年の歴史ツーリングへ。
Mercedes-Benz Museum
メルセデスベンツ博物館

Mercedesstrasse 100 D70372 Stuttgart tel.0711-1730-000 
http://www.mercedes-benz.com/content/mbcom/international/international_website/en/com/Brandworld_Museum.html
シュツットガルト中央駅からSバーン1でGottlieb-Daimler-Stadion下車、徒歩5分。

Mercedes-Benz Museum


ドイツで“自動車の町”と言えばシュトゥットガルトを指す。いや、ドイツのみならず、“世界の”と呼んでいいかも知れない。19世紀末のガソリンエンジンの進化は、この町の技術者たち──ゴットリープ・ダイムラー、カール・ベンツ、ロベルト・ボッシュ(点火プラグを開発)抜きに語れないからだ。
1926年、ダイムラーとベンツがこの町でそれそぞれの会社を合併、今日のダイムラー・クライスラーの原形が誕生する。世界初のガソリンエンジン車をつくったのは、アメリカのヘンリー・フォードと思っている人が多い。しかし実際は1886年にベンツが製造した三輪車こそ世界最初のオートモービル。同年、ダイムラーも独自の四輪車を発表している。
シュトゥットガルト市を流れるネッカー川西岸の小高い公園から、対岸のカンシュタットを眺めると、ワールドカップの舞台になった「ゴットリープ・ダイムラー・シュトゥディオン」が緑地の間に横たわり、その右に、シルバーのリボンを巻いた彫刻のような建築が目に留まる。これが'06年に開館した新「メルセデス・ベンツ博物館」だ。建築デザインを手掛けたのは、オランダ人建築家ベン・ファン・ベルケルとカロリン・ボス。入り口を入ると、コンクリート製の橋梁のようなメガストラクチュア3体が二重螺旋のスロープを支え、中央が8層に吹き抜けたダイナミックな空間に思わず息をのむ。
ゲストはまず、グランドフロアから最上階の自動車黎明期「レジェンド1」展示まで、吹き抜けをノンストップで上昇するクライマー型エレベータで運ばれる。エレベータの窓から吹き抜け越しに見える対面の壁には、箱の上昇に合わせ、クルマの現代から120年前まで歴史をさかのぼる映像が投射される。映像の種類はモータースポーツからバスの歴史までさまざま。タイムマシンのようなエレベータを降りると、最初に目に入るのは白い馬の剥製。ここから人類の“移動”ヒストリーがスタートする(ちなみにシュトゥットガルトは馬の育成でも有名)。
館内展示は、メルセデス・ベンツの歴史を辿る「レジェンド」(7つの時代)と、テーマごとに各時代の“名車”を展示する「コレクション」(5テーマ)に大きく分かれてて、二重螺旋の中で重なり合うように配置されている。館内をくまなく歩くと約5キロ。同社の貴重なコレクション約1450台(すべて走行可能)の中から163台が展示され、そのうち145台はオリジナルだ。すべてのクルマに味わい深い物語があり、固有の技術とデザインがある。
人類の夢、走る伝説を辿る旅を終え1階に戻ると、瞳にスリーポインテッドスターが輝いているかも。地下のミュージアムショップも必見だ。

Buy Me a Mercedes-Benz: The Book of the Museum

Buy Me a Mercedes-Benz: The Book of the Museum

  • 作者: Ben Van Berkel, Caroline Bos
  • 出版社/メーカー: Actar
  • 発売日: 2006/12/30
  • メディア: ハードカバー


UN Studio. Mercedes-Benz Museum. Design Evolution

UN Studio. Mercedes-Benz Museum. Design Evolution

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Av Edition GmbH
  • 発売日: 2005/12
  • メディア: Perfect





シリンダの中の4つの自動車魂の足跡
Audi Museum Moble
アウディ・ミュージアム・モービル

Audi Forum Ingolstadt D85045 Ingolstadt tel.0841-89-37575
http://www.audi.de/audi/de/de2/unternehmen/audi_foren/ingolstadt.html
インゴルシュタット中央駅からバス11に乗りAudi Forum下車。

Audi Museum Moble


バイエルンの州都ミュンヘンとニュルンベルクの南北のほぼ中央に位置する、ドナウ川沿いの10万人都市インゴルシュタット。ここがアウディのホームタウンだ。カスタマーセンター、ミュージアムなどからなる巨大なカーインダストリー・コンプレックス『アウディフォーラム・インゴルシュタット』は2000年の秋に本社工場敷地内にオープンした。四角、三角、円を配した抽象画のようなサイトプランの、円形の建物がアウディ博物館『ミュージアム・モビール』だ。外観は木の切り株を模したと言うが、シリンダやホイール……など、自動車にまつわるメタファーが隠されいてるように思う。
アウディ社の成り立ちは複雑だ。コーポレートマークの4つの輪には、かつては'32年に合併したアウディ、DKW、ホルヒ、ヴァンダラーの4社の社章が刻まれていた。'29年ブラックサーズデー後の世界恐慌で、それまで60社あったドイツの自動車メーカーは15社に激減する。この大不況を乗り切るためにザクセン州のメーカー4社が大同団結した「アウトウニオン」がアウディの前身である。その後、ロータリーエンジンで知られるNSUを併合。アウディは5社の歴史とアイデンティティを併せ持つ多文化企業体なのだ。『ミュージアム・モビール』では、こうした歴史が時代ごとのプロダクツを通して分かりやすく丁寧に説明されている。同時にそれぞれの企業が持っていた技術がいかに先進的なもので、その技術の統合と進化が今日のアウディであることも理解できるだろう。
4層のスロープ状のフロアに配されたクルマの展示は、周囲のエレメントに時代背景やクルマの特質を暗示する要素が取り込まれ、ウィットに富んでいる。クルマが心を持っているように感じるかも知れない。例えば、仕切られた空間にスポットライトを浴びてこつ然と現れる80年代の名作「アウディ100」には、このクルマが誕生した歴史的意義を感じずにはいられない。1階企画展スペースでは、これまでランボルギーニ展やコンバーティブル展などが開催されてきた。モータースポーツに関する展示も出色。アウディはあなたに問いかける。
Is speed dangerous?

Museum Mobile

Museum Mobile

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: Verlag Fur Modernes Design
  • 発売日: 2001/04
  • メディア: ペーパーバック


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satohshinya

こんにちは。以前もヴァイセンホフのときにコメントを書かせていただきました。
ブログへのコメントということもあって、あまり詳しい自己紹介もしていませんでしたが、実はこの記事の中の1つ、ZKMで2月末まで働いていました。まだカールスルーエにいた頃、この『Esquire』のコピーを渡されて、どんなことが書かれているか知りたいからと英訳を頼まれました。知らないうちに日本から取材が来ていたんだ、と思いながら簡単に訳をつくって渡しました。帰国後、『Esquire』のバックナンバーを探して全体を読んだところ、この記事が橋場さんのものであることがわかりました。このブログでコメントを書かせてもらっただけでお会いしたことはありませんが、ZKMまで来られていたのであればぜひお会いしたかったと思っていました。
この記事の内容については、ZKMの人たちも満足していました。ZKMという名前は有名ですが、施設自体が日本に紹介されることは少なく、この記事をきっかけに多くの日本人が訪れるようになればと思っています。ただ、記事中にはクリスチャン・リーデルが館長と書かれていますが、実際の館長はアーティストであるペーター・ヴァイベルで、リーデルはジェネラルマネージャーという役割です。念のためお知らせしておきます。
それでは、以前とは違った形でこのブログを再開されたようですが、今後も楽しみにしております。
by satohshinya (2007-06-03 23:11) 

Beep

ピナコテーク・デル・モデルネは、元々ミュンヘンにあった「ディー・ノイエ・サムルング」(英語で言えば、ニュー・コレクション)(←なんともベタなネーミング)が新しくできた美術館に引越ししたものだと記憶してます。
4‐5年前、ディー・ノイエ・サムルングを訪ねたら既に閉館になっていて
ピナコテーク・デル・モデルネへ移ったと云う張り紙がありました。
で、今サイトを見ると「新収集」は現在ドイツ3ヶ所に分散していて、その内のミュンヘンを「ピナコテーク・デル・モデルネ」と称しているように読めますが...。ヴァイデン(Weiden)と云うのが焼物に特化した一番新しい美術館のハズです。
http://www.die-neue-sammlung.de/z/enindex.htm

ボクも正確にはその辺の事情を知らないので、ご存知なら是非知りタイところです。
by Beep (2007-06-05 00:48) 

橋場一男

satohshinyaさん、ごぶさたです。帰国されたんですね。
こんなところで接点があったとは、ホントに奇遇という感じです。リーデル女史の役職を間違えたのは、当方の取材ミスです。面目ないです。それにしてもリーデルさんはキレイな方ですね。ZKMにはまた改めて、丸一日かけてゆっくり訪ねたいところです。

Beepさん、こんにちは。お元気ですか。
「ピナコテーク・デル・モデルネ」はメタミュージアムと呼ばれるスタイルの美術館で、実際には4件の美術館の集合体です。ディー・ノイエ・サムルングはその一つで、他には建築、グラフィックデザイン、現代美術を扱う美術館が入居しています。コレクションはバイエルン地域内3カ所で公開しているという話を聞いたことを思い出しました。それがニュルンベルクとヴァイデンの別館のようです。ミュンヘン以外の展示も見に行きたいところですが、今となってはドイツはあまりに遠くて悲しいです。
by 橋場一男 (2007-06-17 01:53) 

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